脂肪燃焼団ヘロウが8年振りに黒博物館へ行った話。【後編】
黒博物館 ゴースト アンド レディ 上 (モーニング KC)
- 作者: 藤田和日郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/23
- メディア: コミック
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黒博物館 ゴースト アンド レディ 下 (モーニング KC)
- 作者: 藤田和日郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/23
- メディア: コミック
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藤田和日郎先生の新刊「ゴースト アンド レディ」読みました。
「黒博物館」シリーズ、8年ぶりでしょうか。
少年誌をフィールドに活躍される藤田和日郎先生がモーニングで連載なさっていた「黒博物館スプリンガルド」。大好きなマンガです。
同じ藤田先生の「うしおととら」アニメ化ということで、書店にて、隣に並んでいたのを見かけて、心底驚きました。
続編!!
短編だったので、もう読むことも出来ないかと思った続編が!!
続きが読めるなら、いくら払っても構わない!!
それくらい思い焦がれた続編が、
俺の眼の前にある!!
雷に打たれたかのような衝撃。こんな嬉しいこと、そうそうあるだろうか。
そして、別の驚きが僕を襲います。
1冊、880円!!
高っか!!!!!
ぜ、前編だけにして、後編は後日買いに来ようかな…いやいやいや、いくら払っても構わないから続編を願ったのは俺じゃないか……でも日本一売れてるワンピースだって400円かそこらで買えるのに、ちょっと高すぎやしませんかと思ってお家へ帰って読んだら
安っす!!!!
こんなお値段でよろしかったんですか!?
てな感じでまぁ。
楽しませて頂きました。
シリーズ前作から8年のブランクを全く感じさせない新刊、最高でございました。
藤田先生の作品はいつも、ピッチャーで例えると速球派って印象を抱きます。
うなる速球と、せいぜいカーブしかないピッチャーって感じ。
前述のワンピースなんかは、尾田先生が、連載とともに成長してきた読者に合わせて、描くテーマを重くしてみたり、物語の構造を複雑にしてみたり、しますよね。色んな面白さのバリエーション、持ってるなあ、って、感じます。さすが日本一のマンガ家だな、と思います。
この作品も久しぶりのシリーズ、久しぶりの青年誌ということで「さて買ったものの、いかがなものか」と思ってました。一体何が書いてあるんだろうなって。
読んだらまぁ「俺が大好きないつもの藤田先生だなあ」って感じで。
いくつになってもこのテンションの作品を提供してくれるのはホント嬉しいです。
あ、もちろん、ディテールとか、イラストの異世界観とかは、当然レベルアップしているんですよ。
画力は向上し、テーマは変わらない。
もう、長年のファンへの最高のご褒美ですよ。
長年同じ作家を追いかけてると「面白いけど、何か、変わっちゃったな…」ってコトは、ざらにありますからね。
藤田先生はいつも「ボーイ・ミーツ・(ガール)」なんですよ。
で、このボーイが、百発百中でカッコいいんだ。
そして、ガールもまたカワイイんだ。
で、読んでるうちに恋に落ちる。
ガールに。
そして、ボーイの方にも。
ディテールが変わるだけ(もちろん、このディテールも超一級品なんだけど)。
ただそれだけってのが、イイんだよな。
ストーリーは、面白いです以外の説明はありません。
説明にネタバレは必要ありません。屈折したダークヒーローが期せずして活躍する「ピカレスク・ロマン」とでも言えばいいでしょうか。コードギアス的な。
で、ストーリーはともかく、僕が本気で読んでるせいなのかは分かりませんが。
いや、藤田先生のやらしいテクニックだと思うんですが。
ヒロインが、ストーリーが進むたびに、可愛くなっていくんです。
作者の画力が上がっているんじゃなく。
魅力がグングン上がっていくんです。ちょっと今までにない感覚の作品です。
これがもうね…たまらん。
この先生の作品、大体どのヒロインもカワイイんですが…また新たな「天使」を生み出してしまったのか…という印象です。
騙されたと思って、お手にとって見てください。
何かのキッカケで読んでみて「あ、ちょっといいかも」と思えたら、この先生の作品は全部ハマれます。
とにかくこれは、ぜひぜひ。