脂肪燃焼団のおふとりさまですが相席よろしいですか?

脂肪燃焼団のメンバーが日々思ったこと、食べたものなど。

海外でアニソンDJする上でいちばん大切と思ったこと。

 香港という、生まれてから一度も足を踏み入れたことのない、僕にとってほとんど未知の場所でDJをさせて頂きました。
その上で結局、どんな力が一番大切だったかな…と振り返ってみると……万事、どんな現場でも結局そうなんですけど、やっぱり大事なことは「勘の良さ」だったなと思います。


 香港の、わざわざイベントに足を運んでくださる皆さんは、やはり、本当に現場のイロハが分かっていました。色んな曲に詳しいし、あの曲のときはこう動く、というのを実によく知っている。
どのような内容でも、ある程度の反応を頂けたと思います。
個人的な感想ですが、こういう現場が一番怖い
シンプルなようで、真の反応がものすごく分かりにくい。
ご機嫌に「こなして」いると、知らぬ間に失望されている、一人旅をしている恐れがある。
みなさんご存知、国民的グルメマンガ「食キング」にもありましたよね、そういうエピソードが。
お客さんがみんな残さず食べるから、自分の料理が認められていると勘違いしていたコックさんの話。「みんな残さず食べてる、私の料理は認められている」「違う!客は、安くない金を払わされたんだから、残して帰るのはもったいないと思うから食べているだけだ!お前の料理が評価されているわけじゃない」と、冷や水を浴びせられるエピソード。
あったじゃないですか。
ありましたよね。
とりあえず、あったということにしておいてください。今手元にないんで、確認できないんです。

だから一番必要な力は、知識でも、技術でもなく。
表情から伺い知れない「あれが欲しいよ!」という彼らの内面に迫り、スッと出せるような「勘」。
もう少し具体的に言い換えるなら「他人が感じるであろう快適さや衝動に共感し、それを先取りして提供できる能力」それが必要だと感じました
これって、分かる人には、言葉にするまでもなく、分かっていることだと思うんですけど。

 「勘」は、いくら部屋で練習しても、知識を増やそうと、足しげく色んな現場に通い、ネタを仕入れてこようと、劇的に磨かれるものではありません。
他人の経験、思考回路、趣味嗜好にシンクロすること。お客さんが面白がるものを観て、読んで、同じ空気を吸い、一緒にご飯を食べる。バカバカしいと思うかも知れませんが、そういう時間を過ごすことによってのみ、培われるものと思います。


 今回は、主催者のご厚意で、前日に香港の繁華街を案内してもらえました。
ほんの少しの時間ですが、彼らと強く同期するチャンスを得ました。
版権とか……賞味期限とか……道義的にどうかと思うので、あまり具体的に書くのもなんなんですが、日本でいうレンタルショーケースで、某静岡を舞台にした某アレのご当地ラムネがプレミア価格で売られていたんですね。
「これ、待ってるよ!」 という声が聞こえてくるじゃないですか。
某静岡のこれが通るなら、其秋葉原のアレも「待ってるからね!」と聞こえてきますよね。
やっぱり香港に行かねば、香港の人の待っているものはハッキリ分かりません。
集まってくれる人のことを「見よう」と思うこと。「聞こう」と思うこと。
もちろん、街中の小ネタだけじゃなく、あのスコールの中、酷暑の中、汗をかきかき僕らの案内をしてくれた、主催者さん、スタッフさんの「良いイベントにしてほしい!」という声も、聞き漏らせるものではありません。
今回のチャンスで「勘」の力を再認識させられました。





こんなツイートが話題になっていました。
これが現実だと思います。ある程度いい思いをしてきた僕も冷や汗をかきます。
「これからはやっぱり人よりいい機材を買わないといけないのかなあ~~!」「これからはやっぱりrekordbox djが使いこなせないと通用しないのかなあ~~!!」
DJ3人集まれば機材とレコボの話とよく言いますが。
人が体験してきたこと、楽しいと感じることに思いを馳せる力、そして、望むものを差し出せる力というのも、多くの人に届く、特別な技術のひとつだと、今回の経験を通じて感じました。