香港の街を包んだコブラジャンプの話。
コブラ………
— なず@脂肪燃焼団 (@nazu315) 2018年7月1日
香港で…………
コブラやったぞー!!!!!#きらわん #アニソンディスコ@AniCharm
香港でもコブラは最強だった!
— なず@脂肪燃焼団 (@nazu315) 2018年7月4日
香港の皆さん!日本に来る機会があったら #きらわん と #アニソンディスコ に行きましょう!
私達、脂肪燃焼団の原点です!@AniCharm pic.twitter.com/DCaOWJTfDH
そうなんです。
アニソンディスコさんの伝家の宝刀、コブラをやってしまいました。
正直、なずはともかく、私ヘロウはこの曲、やるつもりはありませんでした。
僕らにとってコブラは特別中の特別。
土曜の夜中1時、ハイテンションの新宿の地下でこのジャンプをして「アニソンで踊るっていうのはこんなに楽しいことなのか!!!!!僕もやってみたい!!」
という衝撃から、キャリアが始まりました。きっかけの曲です。
ハム太郎とは違うんです。
単なる 「これが日本の流行歌ですよ特集」の中には組み込めない、万感の思いがある曲なんです。
まあ、ハム太郎も、やったけどな!!!!!
(※もちろんハム太郎も尊敬するDJさんのルーティンなので、そこは手抜きなし。普通のDJと全然違う、インパクトのあるイントロを作って持って行きました)
本家コブラの素晴らしさは、あのキャッチーで革命的なダンスもさることながら、アニソンディスコオールスターによる、完璧なコントロール下にある所だと僕は思っています。
そこに至るまでのアプローチ、ステージ上でかもし出される、どことなく淫靡だけど残念な雰囲気、中盤からなだれ込むコメディ展開、大いなるマンネリ。それに、バードさんのMCによる新たなくすぐりの提供。
すべてに裏付けられた、圧倒的な「説得力」をもって一撃でフロアに致命傷を与えるパワー。
アレがコブラです。
たとえ、同じようにステップ、ジャンプしようが、それはコブラじゃない。
そんなのは、せいぜいシマヘビです。
「猿真似でも何でも、アニソンディスコが、主催の鮫島さんが『みんなでどんどんやっていい』って言ってるんだから、やればいいじゃん、ファンなんでしょ」
そういう単純な生き物じゃないんだ、ファンっていうのは!!!!
Twitterで「スターウォーズはエピソード8で完全に終わったわ、もう絶対行かないわ」って言ってる人達いるでしょう。
あの人達に「そうだよね。あれは絶対みんなもクソ映画だと思っているよ」って声をかけてみてください。烈火のごとく怒るから。
みんなでやっていい、の「みんな」に入るのはイヤなの!!
僕がやるなら、絶対にそこに「説得力」が宿るか、否か。
単なるBPMの近いもの同士の組み合わせでなくて。
テクニックで放り込むんじゃなくて。
「いやもう、そしたら次はコブラしかないでしょう!!」
それくらいのアプローチが出来るならやってみたいなとは思いました。
が、もちろん、僕ごときが画期的なアイデアをあっさり生み出せるはずもなく。
持ち時間の中には入れませんでした。
ところが当日。予想外の嬉しい事が。
主催者さんと、バックアップのぐっさんが、会場にとりなしてくれて、カーテンコールの時間が生まれました。
あと1曲、チャンスが巡ってきた。
これはもう、苦笑しかないというものです。
やろうよ、と、耳打ちするなず。
しかし、僕はVDJなんで、MP3を流すと画面が静止画になってしまうんです。
それは演出的にバリッとしない。
困ったな…と思っていました。
が。
音源を探すためにHDD内に検索をかけてみると、あったんです。
「あっ」と声が出ました。
初心は忘れやすいものとは言いますが、僕も5年間で1000本以上の動画を作っているうちに、すっかり忘れていました。
いろんな現場に出ているうちに、一番かけたかった曲の動画を、すでに何年も前に作っていたことを。
これはもう、良いんじゃないかっていう気持ちになりました。
演者としては、まだこの曲に手をつけるには力不足ですが、ファンとしてはいいだろうと。
今がその時ってやつなんだろう、と思ってドロップさせてもらいました。
2分あまりのことは夢の景色のようにしか覚えていません。
「これが踊れれば日本中で人気者になれるよ!」
アウトロの、なずのMCで我に返りました。
コイツもなかなかの大物です。さすがにそれは無いだろ、と。
でもホントはやりたかったよね、ごめんね、と思いながら、調子のイイMCをぼんやり聞きながら、心地よい余韻に浸っておりました。
コブラでみなさんが人気者になれるかどうかはさておき。
僕らはあの夜、香港・沙田の街で、コブラを通じてたくさんの友だちを作ることができました。
それは、まぎれもなく、最高の思い出でした。