藤田和日郎先生と「双亡亭壊すべしはクソ」と言ってる人間が同じ「1票」はおかしい
大大大大好きな藤田和日郎先生の、絶賛連載中スーパー面白いマンガ。
そう言えば始まったな、と思ってネットで評判を見たら
「読まなくていいよ、うしおととらやからくりサーカスに比べればクソだよ」
という書き込みがあって、そっか、わざわざ書き込むくらいなんだから面白くないんだろうな…と思って、10巻くらいまとまったら読もう、と思って。
そしたら今秋、待望のからくりサーカスアニメ化。
決まっただけで号泣。やっぱり俺藤田和日郎先生大好きだ…と思い、双亡亭壊すべしにいよいよ手を付けました。
ちょーーーーーーおもしれえわ。
いつものように、物語が壮大ということもあり、下地作りで1,2巻が終わってしまいますが、エンジンがかかればさすがは藤田和日郎大先生こと神。散りばめられた謎、魅力的なキャラ、沸騰しそうなストーリー。まったく何の不満もない超大作です。
ウキウキしながら次へ…次へ…と読むうちに、猛烈に反省しました。
ネットで「双亡亭壊すべしはクソ」と言ったアイツ。
そういやアイツ誰だよ、と。
なんで俺、アイツの言うことなんか真に受けたんだろう?って。
社会人1年目。辛い新入社員生活を過ごしながらの日曜日。
社宅のレオパレスにしばらく住みづらくなるくらい泣き叫んで読んだからくりサーカスの藤田和日郎先生が、サンデー看板作家のプライドをかけて臨んでいる新連載。
「うしおととらの方が…」「からくりサーカスの方が…」「スプリンガルドの方が…」と、過去の大傑作と常に比較されるプレッシャーと戦いながらの新連載。
それと、ネットの誰だか分からんヤツの「クソ」を同じ1票とカウントして、藤田先生は面白いって言うけどネットではクソって書いてあったし、うーーーん、しばらく経ってから読めばいいかな……と放置していた己の愚かさ。
マジでバカだな、俺、と思いました。
よく「誰が言ったかじゃないよ、何を言ったかだよ」という言葉もありますけど、言葉通り受け止めるのも違うなと思いました。
厳しい世界で揉まれながら、自分の命を削って、キャリアをかけて発信している人と、
蚊帳の外からノーリスクで発信している人の言葉がイーブンってことは絶対ない。
あまりにも情報が飛び交うなかで、流れ弾に当たりながら、ぼーっと生きていたな、と学びました。
24歳の自分に会ったら、それこそ怒られるでしょう。
「お前は、自分の人生で1番か2番に辛かった時に支えてくれた人間を、なぜ信じられなかったんだ」って。
今後の人生で、また、こんなザマにならないことを祈るばかりです。