機械仕掛けの遊園地にだって、夢と魔法が宿るハズ、という話。
昔、職場の同期で一緒に、ディズニーランドに行ったんです。
夜のパレードに夢中になる僕らを尻目に、ふと、その内のひとりが少し引いた所に立って、冷笑を浮かべているのに気がつきました。
「どうした、人ごみで疲れたの?」
と、僕が聞いたところ、彼はこう答えました。
「違う。
よく出来てるな、これが世界最高峰のショービジネスかあ、って思ってたんだ」
ショービジネス。
なるほど、真実に基づいた、たいへん「もっとも」なコメントです。
しかしこの時、すごく違和感をもったんです。
彼は何故、いま、僕にそんなことを言ったのか、って。
「お前が魔法だと思っているものは、電気と、マニュアルと、機械仕掛けで、ここは夢の国ではなくビジネスの国だよ」
僕に「良心で」この真実の情報を教えてくれたのでしょうか。
「やあ、そうだったのか、ありがとう。
どうやら僕は騙されていたみたいだ。助かったよ」
僕がそう返すと思ったんでしょうか。
僕を正しく導くための発言だったんでしょうか。
残念ですが、違いますよね。
たぶん、一番可能性として考えられるのは、
「いいトシして、はしゃぐなよ」
ということを、言いたかったんでしょう。
僕に冷や水をぶっかけ、「はしゃぐお前」と「はしゃがない俺」に線を引いて、この場で、精神的に優位に立とうとしたのでしょう。
彼がなぜそんなことを考えたのかは分かりません。
しかし、まことに意味のない、有害無益な発言だったと僕は思います。
この一件以来、僕は彼に対し、軽薄で、無粋な人間、という印象を抱いてます。
話は変わります。
先日、僕らのプレイぶりに対し、とあるご指摘というか、ご意見を頂戴しました。
考え方として大変もっともで、切実な内容です。ご建議感謝しております。
しかし残念なことに、肝心の、その状況を改善するために必要な僕らのモチベーションはひどくかき乱され、すっかり弱ってしまっています。
先ほどのエピソードでいうところの「有害無益」の状況です。
先日まで僕は、アタマも気持ちも好調に回転し、高揚感と充実感に満ちて活動していました。
多くの人間との出会いや、豊かなアイデアと熱い気持ちを抱く最高のパートナーに恵まれ、少なからず、誰かに期待されている。
自分の目標、あるいは他人の目標に立ち会うことが出来る喜びを噛みしめながら、しんどくも、楽しい毎日を過ごしています。
それをブログやツイッター、あらゆる場所でひんぱんに発信してきました。
ご指摘の内容は重々受け止めましょう。
しかし、真剣に、充実して取り組んでいる人間に対しての言葉でしょうか。
WEB上でしたので、その後のやりとりについてお目にかかった方もいらっしゃるでしょう。どのようなお気持ちを抱かれたかは、知るよしもありません。
ただ、どうか2点だけご承知いただきたいと思っています。
「喧嘩をしていたのではない」ということ。
暗闇で突然胸ぐらをつかまれ、動転して、自分を守るために暴れた。
喧嘩ではないでしょう。
「喧嘩両成敗」という言葉がありますが、今回、僕らは成敗されるいわれはありません。
まずこれが1点。
そして、「すっかり打ちのめされた人間が2人いる」ということ。
僕らの一本プレイが「ウソ」「まやかし」だから、恥ずかしい行為と考えることは自由です。
しかし。
自転車で周遊する。ひとつになって踊り、ジャンプする。
フードを振舞う。お酒を浴びるように飲んで、痴態を面白がる。
イベントは音楽や技術だけでなく、「夢」と「魔法」で溢れているじゃないですか。
それに憧れて、この遊びに関わりを持ちはじめたんです。僕は。
僕らの取り組みや気持ちを踏みにじろうが、それは結構。
夢と魔法の場所に、不寛容を持ち込まれるのは、悲しいです。
僕はこのように感じています。
さまざまなポリシーや、状況や、立場や、人間関係から、色々な意見があるでしょう。ご批判もあるでしょう。いいんじゃないでしょうか。すべて尊重します。
ただ。
思ってるほど僕らは強くないです。
当事者として、強く葛藤してます。
打ちのめされてます。憤りを感じています。
言いたいことは数あれど、今はそんな気持ちに暮れています。
もうこの話はおしまい。
今夜はゆっくり休み、最高の週末にむけて、すぐまた再始動します。