DJが上達する秘訣はDAIHATSUのトコットのCMの中にある
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「ゆるい軽自動車」をコンセプトに売り出されたDAIHATSUミラトコット。
そのCMキャラクターに選ばれたのが「ちびまる子ちゃん」。
最近結構なペースで見かけますが、個人的にこのCMの「ある部分」がとても好き。
長寿アニメ実写化の面白さは、いつも見ているあのキャラクターとの「ギャップ」ですよね。
当然、ギャップは大きいほうが面白くなります。
が、ギャップが大きすぎると「あのずんぐりむっくりのまるちゃんがこんな綺麗になるわけないじゃん」という、至極まっとうな批判を浴びてしまいます。
かと言って、アニメパートを作って……例えば七夕のシーンで「まる子も、吉岡里帆さんみたいな清楚な大人になりたいよ…」と、言わせてから実写パート……のようにすればギャップは制御されますが、15秒という制限の中でそれは難しい。
「私、22歳のちびまる子ちゃん!」と言わせてみる?それはあまりにもヤボです。
たった15秒で「これはちびまる子ちゃんです!!」とはっきり言葉に出さず、それでいて「いつものアニメ」と「22歳のまる子」のギリギリの接点を作らなければいけない。
CMクリエーターさんは考えたと思います。
結果「ある手段」を使い、この実写CMといつものアニメの橋渡しが見事になされました。
それも、視聴者がテレビの画面を見ていなかったとしても、このCMが「ちびまる子ちゃんだ」と分かる作りになったんですよね。
そうです。キートン山田さんです。
たとえまる子が実写になり、名乗らなくたって、ほんの15秒だって、キートン山田さんのナレーションが聞こえれば「ちびまる子ちゃん」です。
あーー、なるほど、そこを残したか!と思いました。
で。
ああ、この発想、DJに良いな、と思ったんですよね。
DJって「今日は全曲フルサイズ!」といったような特殊な状況でなければ、だいたいカットしますよね。曲。
しかし、そういうときに漫然と「みんなそうやるから」「前奏が何拍で間奏が何拍だから」っていうんじゃなくて、ちょっと立ち止まって、果たしてここは切って良いものか、どこからどこまで残したら成立なのか、って考えると、またちょっと全然面白いものになると思うんです。
たとえば「ようこそジャパリパークへ」の「ふぁっふぁ~ん ふぁっふぁ~ん」のホルン。
個人的に、あれは残したい。
「COLORS」のイントロの「ゴロゴロゴロゴロ…」という、雷の前触れのような音。
あれも残したい。いきなり「Jibun wo!」というのも、風情がない。
ポプテピピックのOP「POP TEAM EPIC」。
あれなんかはもう、本編見たら、絶対フルサイズですよ。切れない。
切るのも大事。整えるのも大事。
しかし、ちびまる子ちゃんの要素を極限まで突き詰めて「キートン山田さんがいれば成立する」という所まで精製できたように「ここだけは!」という所を、愛情を込めてしっかりピックアップする、っていう作業を、大切にしたいなと思いましたね。
とくに後半へは続かない。