脂肪燃焼団のおふとりさまですが相席よろしいですか?

脂肪燃焼団のメンバーが日々思ったこと、食べたものなど。

違う!これは僕の観たかったシュガー・ラッシュ:オンラインと違う!!

(201X年 ディズニー・スタジオ)
監督「次回のビッグバジェットは俺たちの担当だけども」
アニメーター「まさかコーヒーカップが歌うような夢の世界じゃないでしょうね」
脚本「プリンセスが王子様の救いを待っているみたいな古臭いのはやめてくださいね」
監督「違う。俺の描きたい夢の世界はな…ゲームの中だよ!」
アニメーター「ゲーム…!ゲームの中!!」
監督「そうだ!俺たちが青春を捧げた、アーケードゲームの中の悪役が、悪役であることに疑問を持ち、ゲームセンターの中のゲームを自分探しのために渡り歩くんだ!」
アニメーター「おいおい、それって最高じゃないか!!」
脚本「ゲームキャラが別のゲームに……アイデアがみるみる湧いてきたぜ!!」


(201X+6年 ディズニー・スタジオ)
誰かA「シュガー・ラッシュ、大ヒットだったな。続編を頼むよ」
監督「やった!!前回はアーケードゲーム限定だったし、レジェンドオブレジェンドのあのキャラも出していないし、となると次は当然…」
誰かB「次はインターネットの世界を縦横無尽に駆け巡る話にしよう」
脚本「え??」
誰かC「前回はゲームの中だったんだから、次回はもっとスケールアップしなきゃな」
アニメーター「ネット…??」
誰かD「なんてったって、ディズニーが他社の版権作品とコラボってのも売れた要因だったよな。よし、次回もたくさんのメーカーとコラボを申し込んできてやるぞ」
誰かE「そうだ、ネットは何でもありなんだから、我々ディズニーの持つキャラの大盤振る舞いってのはどうだ」
誰かF「おぉ!それはウケそうですな!では『プリンセスっぽくないプリンセス』ヴァネロペが『プリンセスたち』にぶしつけな振る舞いをして、トンチンカンなやり取りをする!うーん、売れそうだな!」
誰かG「いやあ、トガッたアイデアですな!」
誰かH「ラルフは今流行りのユーチューバーってのになるのはどうだ?」
誰かI「ううーん、彼の朴訥としたキャラと、今流行りの職業ってのは実にミスマッチ!攻めた企画ですな!それも採用しましょう!」
誰かJ「いやあ、実にディズニーらしくない、エッジの利いたいい企画になったよ!キャッチコピーも『いいのかディズニー!』みたいな攻めたフレーズを使いましょう!」
誰かI「なんとも素晴らしい映画になりそうだ!」


シュガー・ラッシュ:オンライン。
僕の印象ではこんな映画でした。

なにこれ、誰か変な口出ししたんじゃないの?!

 対象に対する深い深い愛情とリスペクト、そしてチラリと見せる洒脱なおふざけ。
これが魅力のシュガー・ラッシュだったのに、メチャメチャ大好きな映画なのに…。
今回の「オンライン」は何だか「俺たち優等生の代表、ディズニーだってこんなにハメを外せるんだというところを見せてやるよ!ホラ!フザケたぞ!フザケた!どうだい、面白いだろう!!」という気持ちが前のめりになりすぎているような…。なんとも複雑な気持ちになりました。

 万事においてそうだと思うんですが、手段を目的にしちゃだめなんじゃないかな、と。
今日午前中に見て、ずーっとモヤモヤ考えてたんですけど、この映画、誰か要らんこと口出しした人いませんでした?w
前回メチャクチャやったんだから、今回もとにかくメチャクチャやろうぜ!みたいな。
僕の感想はそんな感じなんです。
どこからか「お客さんを楽しませる」よりも「メチャクチャをやる」が目的にスライドしてしまい、僕のような平凡な想像力のオッサンが期待する「やっぱりラルフの怪力がここで活きたかあーっ!!」「前半のシャンクの魅せたあの超絶〇〇〇〇◯がまさかこの場面でぇーっ!!」みたいな、おおよそ誰もが大喜びするシーンを、フツーに入れてほしかったなぁ……。


ディズニーの人と僕の分析は違うかもしれないけど、多分ですけど、シュガー・ラッシュの大ヒットの1番の要因は、
「ラルフとヴァネロペが好き」だからだと思うんですよ。
「やだー!ディズニー、攻めすぎ!」っていうシーンよりも、そっちをもっとふんだんに見たかったなあ、と思っています。

 

いずれにせよ目の前に立ちはだかるのはあの大巨人

どうにも不完全燃焼な気持ちを抱え、相方とランチをしながら「じゃあ一体どんなシュガー・ラッシュが見たかったのか?」という議論で上映時間と同じくらい白熱議論したんですけども

 

お手上げでした。

 

僕らの考える「ぼくらがかんがえるりそうのシュガー・ラッシュ:オンライン」は、どんなプロットを作ってみても、トイ・ストーリー1~3のどれかになってしまう

アーケードゲームが衰退して、シュガー・ラッシュやフィックスイットフィリックスはモバイルゲームに移植された。そこで最新型ゲームに出会い、自分たちが人々の思い出にしか存在しないことに気づき始めて…」
「いやそれ『3』でしょ」
「フィックス・イット・フィリックスの筐体がマニアに買われるんだよ。誰にも遊ばれなくなったラルフたちは筐体に閉じ込められる。経年劣化で機械の内蔵電池が切れたら一巻の終わり。それを助けるためにゲームのみんなが場所を超えられるインターネットの力で…」
「それは『2』だな」
「じゃあ単純にさ、ハイテクゲームがあのゲームセンターに導入されて、人気を独り占めしてしまう。なぜそのハイテクゲームが人気かといえば、無限にアップデートをくりかえし進化し続けるインターネットの仕組みがあるから。嫉妬したラルフたちは自分たちもアップデートをしたいとネットの世界に…」
「それは『1』でしょ」


うーむ、アマチュアには思いつかねえ。
今回の「オンライン」は、個人的にどうにもしっくりこない作品ではあったけれども、おもちゃアニメの金字塔がパターンを全部塞いでいて、別のシナリオが全く思いつかない。
シュガー・ラッシュスタッフの苦悩を少しだけ感じられた、それはそれで楽しいクリスマスイブでした。